モデルハウスの設計プロセス寄り道編①
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ここまで5回に分けてモデルハウスの設計プロセスをお伝えしてきましたが、
前回植栽について触れたので、今回はそこを広げて寄り道編①とします。
先日、私の大学時代(建築学科)のランドスケープや植栽が専門の教授が
こんなツイートをしておりました。(Xになったらツイートとは言わないのかも?)
「庭木とかはさあ、花や実や紅葉(落葉が嫌)を楽しむために栽培されているものだから、
その2つを避けて選ぶのはどうかしてる。そんな植栽地、なにが面白いのだろうか。
つくる必要があるのだろうか。ああ・・・」
家の敷地に植栽がある家は本当に少なくなっています。
建売やハウスメーカーで家づくりをすると、
敷地はコンクリートや砂利で埋め尽くされることがほとんど。
シンボルツリーを植えたいと、1本や2本だけひょこっと植栽が植えられていることもありますが、
できるだけ管理がしやすいものをと、
常緑樹や実のならないものが好まれる傾向があると思います。
ましてや、植栽は建築工事の工程の中では最後の最後、
予算調整の中でいつの間にか削られる部分第一位なんじゃないかと思います。
植栽が無くても生活に支障が出るわけではないですが、
心地よさを引き上げるという点で最強のアイテムです。
トイレやお風呂などの住宅設備のグレードアップ、
冷蔵庫や洗濯機などの家電製品をグレードアップするより、
生活を豊かにする力を持っていると思います。
植栽は日々変化をするものです。春には新緑のまぶしささえ感じる鮮やかな緑、
夏は緑が急に濃くなり、秋には紅葉、そして落葉、冬は少し寂しい感じになりますが、
雪化粧のお庭もいいものです。
ジューンベリーやブルーベリーなど実がなる木には鳥が集まり、
季節ごとに違う鳴き声も楽しめます。
先ほどの教授の嘆きに戻ると、落葉樹や実がなる木というのは目に見える変化が大きく、
また鳥を集めるなど、暮らしの中にさらに「動き」を加えてくれます。
逆にほとんど常緑樹を植えて1年を通して変化が無いように、
という植栽計画をしている場所があります。
「東京ディズニーリゾート」です。冬場にディズニーリゾートに行って落葉した木ばっかりだと、たしかに、少し寂しい気がします。
少し話が逸れたかもしれませんが、植栽にどんな機能を与えたいかが重要です。
きよかわの家づくりでは、暮らしの豊かさ心地よさを引き上げる機能として、
植栽をご提案しています。
予算の中で出来る範囲で植栽工事を取り入れていただいて、
最後まで植栽予算だけは死守してもらえればなと思います。
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