モデルハウスの設計プロセス⑤
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さて、これまで4回にわたってモデルハウスの設計プロセスをお話しして来ました。
今回は間取りを落とし込んでいく話になります。
ここまでのプロセスで、家の骨格や、メインとなる窓の配置は決まっています。
まずは大きな開口を取って吹抜けからも光が入るこの家の中心となる部分。
ここにはダイニングを配置しました。
家のメインとなる室を何にするか、
私の場合、ダイニングを提案することがほとんどです。
なぜか?
朝、家族で朝食を食べる、夜ご飯を食べる、
もちろん生活リズムは各家庭それぞれですので一概には言えませんが、
家族が集まりやすいタイミングが食事です。
また、家の中心ということは、生活の中で動線に入って来ますので、
人が行き来する通り道にもなります。
リビングはテレビを観たり、ソファーでくつろいだりと、ゆったり過ごす場所であってほしいので、そこを人が頻繁に行き来するのは、ちょっと落ち着かない。
出来ればリビングは端っこに、
行き止まりがある場所に設けた方が落ち着く場所になるんじゃないかと考えています。
ということで、モデルハウスではダイニングを中心に間取りを構成しています。
ダイニングが家の中心で、大きな開口を挟んで中間領域であるデッキと繋がる。
その先には庭の植栽がある。という配置です。
ダイニングと切り離せないのがキッチン。
庭とダイニングを向いてキッチンを配置しました。
キッチンに立った時にふと顔を上げると緑が見える。
これも私がやりたいことの1つでした。
今、庭に植栽を植える人が少ない。
手入れが大変だからと、土地のほぼ全てをコンクリートで埋めてしまったり、砂利を敷いたり。
それならマンションでいいじゃん。と思ってみたり。
家は不動産と言われるくらいなので、動きません。
なので生活の中で動くものがあると、なんだか心が安らぐものです。
例えば金魚やメダカ、水槽の中で動くとしばらく見ていられたりします。
庭の植栽もそうです。風が吹けば枝葉が揺れる。
鳥が飛んできて、木の実を食べる。
それがキッチンで忙しく料理をしているふとした瞬間に目に入る。
これが戸建ての醍醐味の1つだと思います。
間取りのヒアリングをすると、どこからでもテレビが見えて。という要望は少なくありません。
でもテレビよりも庭に目が行く間取りの方がよっぽど心地良い暮らしになるはずです。
是非モデルハウスでキッチンからの緑を観てみてください。
きっと庭に植栽が欲しくなるはずです。
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