モデルハウスの設計プロセス④
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今回もこれまでの続きです。
前回までに、
①抜けに向かって大きな開口
②南北方向のボリュームは3間程度
③南北に流れる切妻屋根
④建物のボリューム
⑤建物の骨格(構造的検討)
と決めてきました。
④と⑤に合わせて検討する必要があるのが、立面を整えること。
ここに関しては、間取りが優先されてお施主さん
(一部の実務者も立面検討手を抜いたな。。。みたいなことも)の
意識から飛んでいることも多いのですが、
外観を整えることは、
間取りの前に検討しないとこじつけでつくった立面となり、かっこよくない。
私たちが手掛ける建物は、
地域にとっても良い影響を与える(風景の一部となるような)ものにしたいので、
ただ間取りだけを優先させたような家にはしたくない。
ということで、ここで立面を検討するのです。
立面の検討は、③で検討した屋根形状とも密接に関係してきます。
それから①の開口のバランスも重要です。
私の場合、窓の並びも大事にしたいので、ここである程度窓の配置も落とし込みます。
連続した水平窓、1階と2階の窓を揃えるなど、もちろん周辺の景色も含めて検討します。
モデルハウスの場合は、準防火地域で敷地形状的に延焼ラインを避けることは難しいので、
大きなサッシのラインナップが無く、3尺(074サイズ)のサッシを吹抜に並べています。
また、この吹抜は南面のため、横に並ぶであろう寝室や子供部屋も、
同じサイズのサッシを連続させるという決まりを持って進めました。
そして唯一道路から見える西面については、極力開口を設けない。
もしくは小さくするというのがセオリーではありますが、
この敷地の場合西側にお寺の立派な瓦屋根が見えるので、
この屋根を切り取るような窓を設けたいと考えました。
また、この唯一道路から見える西面がこの家の顔になるので、
なにかアクセントを付けたいと思い、ただ窓を1つ付けるのではなく
(防火上大きなサイズが無かったというのも大きいですが)、
4つの窓を1つの窓のように正方形にまとめて並べました。
このように立面を整えて行ったところで、次回からいよいよ間取りを落とし込んでいきます。
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